iシェアーズ米国優先株式ETF(PFF)とは?配当金(分配金)利回りなど解説
iシェアーズ米国優先株式ETF(PFF)とは?配当金(分配金)利回りなど解説
iシェアーズ米国優先株式ETF(PFF)は、主にアメリカの株式市場への投資を目的としたETFです。経費率(信託報酬)0.47%で、普通株よりも配当金が多くもらえる優先株に分散投資が行える点が特徴です。
iシェアーズ米国優先株式ETF(PFF)とは?
iシェアーズ米国優先株式ETF(PFF)は、米国などの優先株への投資を目的としたETFです。S&P米国優先株式インデックスをベンチマークしており、ウェルズファーゴ等の優先株から構成されています。
優先株とは、剰余金の配当などを優先的に受けられる株式です。議決権が無い代わりに、普通株よりも配当金が高い傾向にあります。
以下、iシェアーズ米国優先株式ETFの手数料や構成銘柄、分配金、また他の米国ETFの比較・評価などを見ていきます。(以下のデータはBlackLockを参照)
コスト:信託報酬(経費率)・売買手数料
本ETFの保有中にかかる手数料(経費率・信託報酬)は年率0.47%です。バンガード・S&P500ETF(経費率:0.05%)やiシェアーズS&P500ETF(IVV)等と比べると若干高めです。
項目 | 手数料が発生する タイミング |
手数料(税抜) |
---|---|---|
売買手数料 | ETF売買時 | 米国株式同様の手数料 *SBI証券等ではNISA口座での買付手数料が無料 |
信託報酬 | ETF保有時 | 年率0.47% |
本ETFの取引には「株式売買手数料」と日本円を米ドルへ両替する際の「為替手数料」の2種類の手数料がかかります。各手数料は、証券会社によって違いますが、後述するように、売買手数料と為替手数料を合わせたトータルコストは、SBI証券が最安手数料となっています。
また、SBI証券ではNISA口座で海外ETFを取引する場合、株式の買付手数料が無料になります。手数料が高くなりがちな米国ETFですが、SBI証券のNISA口座を利用することで、積立などで、こまめに購入しても手数料が抑えられます。
構成銘柄(米国株)の比率は?
次に、本ETFにどのような銘柄が組み込まれているか見ていきます。本ETFは「S&P米国優先株式インデックス」をベンチマークとしており、約300銘柄から構成されています。構成銘柄の上位10銘柄の構成比率は、以下のようになっています。
構成銘柄比率
銘柄 | 構成比 | 業種(セクター) |
---|---|---|
ウェルズ・ファーゴ・シリーズL | 2.91% | 金融 |
HSBCホールディングス | 2.41% | 金融 |
アラガン | 2.33% | ヘルスケア |
バークレイズ | 1.66% | 金融 |
GMACキャピタル・トラスト | 1.61% | 金融 |
HSBCホールディングス | 1.42% | 金融 |
BLK CSH FND TREASURY | 1.39% | キャッシュ等 |
シティグループ | 1.38% | 金融 |
ウェルズ・ファーゴ | 1.33% | 金融 |
ティーモバイル US | 1.28% | 電気通信 |
ウェルズファーゴやHSBCホールディングスなど金融関連の企業が多い点が特徴です。
分配金(配当金)利回り・パフォーマンス
本ETFの決算は年12回(毎月)です。過去1年の分配金は、下表のように推移しています。直近の分配金は、1口あたり約0.185ドルとなっており、利回りは5.80%と、かなりの高水準です。
分配金の推移
決算月 | 分配金[米ドル] (1口あたり) |
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2017年5月 | 0.19 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
2017年4月 | 0.19 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
2017年3月 | 0.19 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
2017年2月 | 0.19 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
2017年12月 | 0.20 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
2016年12月 | 0.18 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
2016年11月 | 0.18 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
2016年10月 |
0.17
米国株ETFの比較・評価本ETFは、米国ETFとしては手数料が若干高めなものの、高水準の利回りが期待できるETFです。高利回りの投資商品としては、REITなどが有名ですが、個人的には優先株が投資対象となる本ETFに注目しています。 基本的には、ETFの値上がり益ではなく、配当金(インカム収入)目的の銘柄となるので、中長期目的の投資商品という印象です。 ただし、投資対象を最も広げたい、組み入れ銘柄や業種を多くして米国へ投資したという方は、下表にあげるようなETFが選択肢となります。バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)やバンガード・S&P500ETF(VOO)は、経費率0.05%と超低コストで米国の株式市場に投資が行えます。
分散性を高めたい場合本ETFの投資対象は、主に米国株式市場ですが、米国だけでなくヨーロッパや太平洋地域の株式に広く分散投資を行いたい方は、バンガードFTSE先進国市場(除く米国)ETF(VEA)が注目です。信託報酬0.09%で米国を除く先進国20カ国以上に投資ができるので、本ETFと組み合わせることで先進国に低コストで分散投資が行えます。 だたし、ニッセイ外国株式インデックスファンドやiFree外国株式インデックスなどのインデックスファンドも、信託報酬0.2%台で米国を含む20カ国以上の先進国株式市場へ分散投資が行えるので、利便性を高めたい方は、これらが良いかもしれません。 また、円高・円安など為替変動リスクを抑えたい方は、たわらノーロード先進国株式(為替ヘッジあり)も選択肢の1つになります。
本ETFのデータをまとめると、以下のようになっています。年率0.47%の手数料で、配当利回りが高い傾向にある優先株(約300銘柄)に投資を行うことができます。2017年4月末現在、5%を超える利回りとなっています。 |